NIKON Z 7 + AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
やはり個々のレンズにはそれぞれ得意な距離感というものがあると思っています。
これには単純に焦点距離や開放 F 値などのレンズスペックで決まる部分と、それだけではなく、撮影距離による描写特性の変化(最短で柔らかくなるとか)や、さらに撮影距離に伴って変化する前後のボケによって決まる部分など、複数の要素が絡んでいるのだと思います。
同じ標準単焦点でも NIKKOR 58/1.4G と Planar T* 1.4/50 では得意な距離が全然違うのも後者の影響でしょう。
簡単な言葉に凝縮してしまいますと、「レンズの個性とそれに合わせた扱い方」ということになるでしょうか。
AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED はそれが特に顕著といいますか、スイートスポットが狭くてわかりやすいので、このレンズを使うたびにどうしてもこの話がしたくなってしまいます。
これはスイートスポットではないと思います。奥行きに対して被写界深度が浅すぎて、ボケが3次元性を失っている気がします。
これは平面的な切り取りでこのレンズでなくてもいいと思います。
これは被写体との距離感はいい感じだと思ったのですが、背景に奥行きが足りなかったかなあと。
これがこのレンズのスイートスポットの範囲内にあると思います。連続的なボケが奥まで続いていて、ピント面が浮き立つような描写。
いかがでしょうか。
個人的には当たると急に飛距離が伸びる印象があって、かなりわかりやすいレンズだと思っています。
ただ、描写の好みは人それぞれなのでおそらくスイートスポットも人それぞれだ異なるというのと、さらにはそもそもいい写真かどうか自体は完全に別問題というのが難しいところです…。
(ちなみに写真の表示サイズによってとんでもなく印象が異なります。ぜひ大画面で!)
まあでも、そこも含めて写真レンズのおもしろいところ、とも言えますよね。
というわけで今回はこのへんで。
ではでは。