レンズ雑録 #1

よし、今日はレンズの話をしましょう。

 

今回のお題は「ミラーレスでレンズはコンパクトになるか」です。
※最初に断っておきますが、ここで述べるのは僕が勝手に妄想していることで、正しい情報とは限りません。

 

 


 

 

ミラーレス=コンパクトというイメージは、ミラーレス一眼が元を辿ればマイクロフォーサーズに始まることに起因しています。
実際、カメラボディは確実に薄型化されていおり、それに関して疑いようはありません。

では、レンズはどうでしょう。

レフ機用に比べてコンパクトになったかと言われると、必ずしもそうではないと思います。
ソニー E マウントのレンズ群を見渡しても、明らかに小型・軽量化したとは言い難いです。

これは一体なぜか、、、というのを考えてみます。

 

 


 

 

まずは基本から始めましょう。

 

 

Fig. 1: 焦点距離とフランジバック

 

 

レンズに平行光を入れたとき、像を結ぶ点までの距離のことを焦点距離と言います。
一方、カメラにはフランジバック(レンズのマウント面から撮像素子までの距離)というものがあります。
たとえば、ニコン F マウントなら 46.5 mm です。
Fig. 1 からわかるように、それより焦点距離の短いレンズはミラーに干渉してしまいます。

そこで、次のようなレンズの組み合わせを考えます。(Fig. 2, 3)

 

 

Fig. 2: 凹レンズと凸レンズの組み合わせレンズ

Fig. 3: 焦点距離の短いレンズ1枚と等価

 

 

このように凹レンズと凸レンズを組み合わせることによって、実効的に焦点距離の短いレンズが作れます。
一眼レフ用の広角レンズも、おそらくこの原理を利用して設計されています。

しかし、ミラーレスではフランジバックが短いため、Fig. 3 のようなシンプルな構成でも成立するかもしれません。
そう考えると、たしかにレンズはコンパクトになりそうです。
(これが、広角レンズはミラーレスで小さくなると言われる所以なのでしょう)

 

ここで、先ほどの組み合わせレンズについて、今度は凸を前に出した構成を考えます。

 

 

Fig. 4: 凸レンズと凹レンズの組み合わせレンズ

 

 

Fig. 4 のように、レンズ1枚よりもさらにレンズを小さくできるということがわかります。
おそらくこれは望遠レンズに使われている手法です。
(焦点距離 800mm のレンズの長さが 800mm もないことから想像)
ただ、逆に言えば一眼レフでも使われている手法ということなので、ミラーレスになったからといって急に短くなるかと言われるとすこし疑問ですね。

 

 


 

 

さて、ここからがようやく本題。
ここまではレンズの中心軸に平行な光線だけを考えてきましたが、さらに画角周辺からの斜めの光線も考慮に入れましょう。
絵にすると Fig. 6 のようになります。

 

 

Fig. 6: 斜めからの光線

 

 

要は、周辺画角からの光線も考えましょうということですね。
ここに、先程まで考えていた2種類の組み合わせレンズを追加して比べてみましょう。

 

Fig. 7: レンズが長い(赤)、1枚(黒)、短い(青)ときの、斜めからの光線の違い

 

 

ここで、赤、黒、青のレンズはそれぞれ実効的な焦点距離は等しいとします。
焦点距離が等しいということは、同じ角度から来た平行光線は、すべて同じ位置に集まるということです。

さてどうでしょう、違いがわかりますでしょうか。
レンズが短いほど(つまり赤より青になるほど)レンズから出た後の光線の傾きが急になっています。
実はこれが問題なのではないかと個人的に思っています。

 

 

Fig. 8: 撮像素子上のマイクロレンズ

 

 

撮像素子には、光を受光素子に導くために、画素1つ1つにマイクロレンズが付いています。(Fig. 8)
とくに写真用カメラの撮像素子では、周辺のマイクロレンズが少しだけ偏心しており、斜めからくる光をうまく取り込めるように設計されているそうです。
(“イメージセンサー_マイクロレンズ” で検索すればたくさん情報が出てきます)

 

 

Fig. 9: 角度が急すぎると、光が取り込めない

 

 

しかし、先程のように周辺の光線があまりに急すぎると、Fig. 9 のようにうまく光が取り込めなくなってしまいます。
(逆に急な角度の光を取り込もうとすると、今度は緩い角度の光を取り込めなくなってしまうのでしょう)

これを解決するためには、最後のレンズから出てくる光の角度を緩くしてあげる必要があります。
ただ、そうすると今度はレンズ枚数などが増えてしまい、結局コンパクトにはならないのかもしれません。
まあ、もしかしたらこのあたりは撮像素子の進歩で解決されていくのかもしれません。

 

 

結局は撮像素子のサイズを小さくするのが、レンズをコンパクトにするうえでは一番手っ取り早いのかもしれないですね。
たぶん画角に比例する収差も大幅に低減できますし、レンズ枚数も減るのでしょう。
だからフルサイズミラーレスではなかなかレンズが小さくならないのかな、なんて個人的には思っています。

 

 


 

 

…とここまで長々と語ったものの、実際にはまったくの見当違いで、そのほかの理由(単純にAFのモーターがでかいとか、ゆるゆる描写で売り物にならない、とか)があるのかもしれません。
あくまで僕の妄想ですしね。

 

まあでも、ちょっと考えてみただけでもこれだけ難しいのですから、闇雲にフランジバックを削ってレンズを短くしたとしても、そう簡単にはうまくいかないのかもしれません。

 

 

 

 

ちなみにですが、今回用意した絵は Google 図形描画で1個1個手作りしました。(大変だった)
ちょっと次回も同じことをやる気力は残ってないかもしれません;

 

というわけで今回はこのへんで。
ではでは。

可愛い系というより綺麗系

道を撮るレンズ

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