NIKON Z 7, AI Nikkor 50mm f/1.4S.
親になるという経験を通じて得られる視力というのは少なからずある。
それこそ日本の将来なんてものには、割と無責任でいられたんですよ。今にして思えば。
だけどそれが急に "わが子がこれから生きていく世界" に変わる。
遠くで霞んでいたものが急に眼前に引き寄せられ、質感をともなった実体になる。
命こそを最優先に、というのも全然わかる。
だけど「 "国を失う" というのがどういうことか」を世界史に学べば、わが子にそんな世界をリレーするなんてことは到底許容できない。
たぶんこれって、自分ひとりだったら全然ちがった感覚で捉えていたと思う。
今は世界をどう生きていくかより、どんな世界を残せるかのほうが大事だと感じる。
たぶん自分の父や母も、祖父も祖母もそうだったのだろう。
もう祖父や祖母と話をすることはできないけど、父と母にはそのうち聞いてみたい。