全国 1 億 3000 万人の RAW 現像迷子の皆さんこんにちは。
出口はこちらで合ってますか?(いま来た方角を指さしながら)
さて以前 RAW 現像に関するポストをしてからしばらく経ちましたが、実はあれから現像プリセットはほとんど変わってません。
もしかしたら僕は 偉大なる RAW 現像の迷路 の最終地点に到達してしまったのかも。
これ以上は現像ソフトを変えるでもしない限り劇的な変化はないかなという印象です。
(それで最近は Capture One が気になり始めてる)
というわけで、今回は長かった旅路の集大成として僕のひとつなぎの大秘宝を公開します。
僕も昔はネット記事・カメラ雑誌・有料プリセット等々…から情報を仕入れては迷走を続けていた一人です。
この現像プリセットも色々な学びを繋ぎ合わせてようやく今の形になっています。
とはいえ一から全部自力で作ったわけではありませんので、もちろんお金も取ったりはしません ^^;
なのでもし気に入っていただけたのなら、ぜひとも大切に使っていただけると嬉しいです。
(※中身そのまま、名前もそのまま、みたいな形の二次配布は禁止します)
プリセットのコンセプト
まず僕が目指す理想の RAW 現像は「ナチュラルメイク(薄化粧風)」です。
決してやりすぎてはいないけど、要所は押さえて心地よい階調と色彩を作ることです。
そのために僕がプリセットに求めるのは「すっぴん風ベースメイク」です。
プリセットは万能ではありません。写真ごとに必ず微調整が必要です。
したがってプリセットは、調整に使う各パラメータの最大公約数を取ったものであるべきです。
ナチュラルメイクに仕上げるための下地となる、そんなコンセプトで作っています。
具体的には、
・コントラストを適度に上げる
・黒を少し浮かせてトーンを柔らかく
・色相はやりすぎない程度にやる
・明度(輝度)はいじりすぎない
・白いものは白く
・余計なことはしない(テクスチャ・明瞭度・かすみ・粒子)
という感じの処理を入れています。
「現像はやるけどあくまで適度に…」って方のほうが、もしかしたら気に入っていただけるかもしれません。
逆に「現像でゴリゴリに世界観を作りこみたいんだ」って方には物足りないプリセットかなあと思います。
あくまで個人的な好みの問題ですが、以下のようにはならないように気を付けています:
・階調の圧縮しすぎで立体感がない、
・空が一面ライトブルー、
・レッドやイエローなど特定の色だけが蛍光のように光ってる、
・白いものが白く写っていない。
※上記のような現像を否定しているわけじゃないです。むしろ好きなだけ存分にやったらいいと思ってます。ただ僕個人の好みではないというだけです。
プリセットの適用例
百聞は一見にしかずということで、まずはプリセットの適用例をご覧ください。
(プリセットの DL リンクは記事の後ろのほうにあります)
プリセットは2種類用意しています。
とりあえず最初に両方を当て嵌めてみてから、ピンと来たほうを使うようにしています。
2つのプリセットの違いは追って説明することにして、まずはそれぞれ5枚ずつ写真を並べてみます。
比較写真は、スライダー左が Adobe 標準、右がプリセット になっています。
※ Adobe 標準はカメラの標準よりは薄口めです。
『nuts2u preset001』の適用例










『nuts2u preset002』の適用例










(補足)001 と 002 の違いについて
2つの違いはそれほどあるわけではないです。
・002 は、ハイライトがマゼンタ寄り、
・002 は、グリーンとマゼンタの色相をもう一息倒している
というくらいの違いと思っていただければよいと思います。
どちらかと言うと 002 の方が若干シックな雰囲気になります。
差が出るシーンとしては、白い壁・空の青・葉っぱの緑が多い写真です。
参考まで、比較写真を3枚並べました。






ダウンロードと使い方
ダウンロード
もしここまで読んでみて「使ってみたい!」という奇特な方がいらっしゃれば、こちらから DL してお使いください。
[ダウンロードが見つかりません]※Lightroom Classic 用です。
※導入手順については、お手数ですが外部サイトをご参照ください。
プリセットの使い方
僕の使い方としては、
① 適用前に "露光量" を調整、
② プリセットを適用(2つから選ぶ)、
③ "トーンカーブ” や "コントラスト" を調整、
④ "色温度" を調整(グリーンやシャドウの色も見ながら)、
⑤ "カラーグレーディング" でシャドウ・中間調・ハイライトの色転びを直す(あるいは逆に味付けで足す)、
⑥ そのほか 切り抜き・回転・変形・レンズ補正 等々は適宜。
という感じで整えています。
調整のコツ
このプリセットは万能ではありませんので、写真ごと個別に微調整をしていただければと思っています。
たとえば光の色温度次第でハイライトとシャドウの色は補色の関係で崩れます。
これは色温度やカラーグレーディングで個別に調整するのがいいのかなあと思っています。
あとはトーンに関してですが、このプリセットは写真に占める黒の割合が多いとトーンが窮屈に見えやすいです。
その場合はトーンのシャドウ部を適宜調整してください。
換算 50mm の画角用に作ったせいか、望遠レンズでも黒潰れの面積が大きく感じるので、この場合も僕はほぼ必ず調整しています。
ちなみにこのプリセット、ポートレート用途のことは考えずに作っています。
そのため、おそらくそのまま使うと顔に影ができたり、肌の彩度が高めに見えることが多いです。
それも適宜トーンや彩度の調整をしたほうがいいかと思います。(ポートレート用に別にプリセットを作るのもアリです)
さいごに
皆さんそれぞれに好きな写真の雰囲気というのがあるはずで、なのでこうして公開したとしてもお役に立てるのはごく一部の方に限られると思います。
ただまあせっかくここまで積み上げ・磨き上げてきたものなので、こうして日の当たる場所に出してあげるのもいいのかなと思ってこの記事を作ってみました。
もしもこの記事が「役に立ったよ」ということがあれば、このブログや Twitter、Instagram でコメントいただけたらもうそれ以上何も望むことはありません。
さて、最近すこしだけ Capture One が気になっている僕としては、いつまた 長い長い迷走の旅路 につくかわかりません。
ただ最悪戻ってこようと思えば戻ってこられるセーブポイントをここに作れましたので、また気楽に色々試せていけたらと思っています。
皆さんの RAW 現像生活に幸あれ!
というわけで今回はここまでです。
また次回の記事でお会いしましょう。