NIKON Z fc, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR, NIKKOR Z 28mm f/2.8 (SE).
短いたとえ話です。
久しぶりに帰った実家の親族の集まりで自分の写真を見たおばさんから「本当にいい写真だね~」って褒められて、あなたが「いやいやそんなこと…」と返しているそばから近くで話を聞いていたおじさんが「そりゃあ良いカメラで撮ってるんだから当たり前だろう」とか言ってきたら、どう思います?
言い返すまではしなかったとしても、心のなかで多少ムッとはするんじゃないでしょうか。 "良いカメラで撮ったからって良い写真が撮れるわけじゃない" なんてこと、ある程度カメラを触ってる人ならみんなわかってることですからね。
そういうおじさんの発言レベルのツイートが新型コロナウイルス関連の話題でそこら中に溢れかえっているのが今の Twitter です。
実際にはたとえ話よりタチが悪いのが現実です。
専門医の方が皆のためにと科学的にわかっていることを発信しているところに、出所も根拠も不明なグラフとともに悪意のある言葉を寄って集って浴びせかけているわけです。世界的に有名な写真家の展示会に行って「こいつは写真の基礎からなっとらん」と叫んでいるようなものです。
ある程度素養のある人なら、現状がどれほど酷く見るに堪えないものかわかると思います。これがもう何年も続いているわけですから、当事者の方の心労を思うと想像を絶します…
結局これって想像力の問題だと思うんですよね。今回のことに限らず。
政治を語る時、スポーツやゲームを語る時、カメラやレンズを語る時、どれだって同じです。自分が一体どれほどのことを知っているかを顧みず、聞きかじったレベルの理屈で悪意の言葉を向ける。自分の造詣が深い分野に置き換えてみれば、どれほど危険で愚かなことをしているか想像がつくはずです。
好きで語るのはいくらでもやればいいと思います。でも誰かを傷つけたり、まして誰かの生活や命にまで影響を与えかねないことに無責任でいてはいけません。当たり前ですが。当たり前なのに、それすら忘れて大声を出してしまえるのが現代です。
自戒も込めて、このことを今日は書いておきたかった。