NIKON Z 7, Nikkor-Q Auto 135mm F2.8.
Nikkor-Q Auto 135mm F2.8 です。
このレンズ、とても 57 歳とは思えないくらいよく写ります。
よく写るというのは、いわゆる "ピント面シャキーン!" っていうのとは違います。
コントラストが高く、それでいて描写は柔らかい。
ピントの "面" を感じることはなくて、シャッターを切る瞬間に意識をフォーカスした "空間" が写真に浮かび上がる感じ。
山の頂上はしっかり高いところにあるんだけど、そこに至る道筋に急勾配がないんですよね。
嫌味がない、包容力がある、、、そんな感じの写りです。
今回はたっぷり写真を並べてみたので、なんとなくでもこのレンズの魅力が伝われば嬉しいです。
たぶんこういう描写って、世間のトレンドとはズレたところにある価値観なんだと思います。
あまりこの手のレンズって最近見ないですしね。
そこは人それぞれ好き嫌いの問題なので仕方ないことですが、ただこういうレンズを探すのが難しくなってきているのには困ってます。
このレンズ、ご覧の通りピント前後がスムース・デフォーカシングしていくので逆にその弊害もありまして。
Z 7 を使っているのでピント合わせはもちろん EVF 内拡大表示を使って追い込んでいくのですが、それがまあとにかく難しい。
どこがピントの山の中心かなかなかわからない。
極めつけに 135mm という焦点距離というのもあって、フォーカスリングを回すとそれなりに大きくブレます。
幸い Z 7 ではボディ内手振れ補正がよく効くのでフォーカスリング操作時のブレは気になりませんが、じゃあ一体一眼レフの時代はどうやってピントを合わせてたんだと首を傾げたくなります。
ピントの山が掴みやすいレンズならある程度ファインダーでわかるとは思いますが、このレンズは相当難しかったんじゃないかな。。。
というわけで、今回は「Nikkor-Q Auto 135mm F2.8 の会」の会員としてこのレンズの写真をたくさん取り上げてみました。
これに限らず "柔らかいけど甘くない" っていう描写をするレンズは探してみると意外と格安で手に入ることもありますので、そういう目線で一度調べてみるのもいいかもしれません。
もしかしたらレンズの筆遣いに対する価値観がガラッと変わるかもしれませんよ。