人権を最も軽んじられた最果ての搭乗口

NIKON Z 8, NIKKOR Z 50mm f/1.2 S.

 三連休は妻の実家に帰省することにした。相手方の実家ではあるけれど、家族で一番僕が楽しみにしている節はある。

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 とは言ってもやっぱり子連れの移動は大変だ。とくに今回、往路はリムジンバスの運行時刻がうまく噛み合わず、子どもとキャリーケースをいっしょに引きまわして遥々電車で羽田まで向かった。到着したら到着したで、これも毎度のことだが、あらゆる国内線利用客のなかで最も人権が軽んじられている最果ての搭乗口《誇張表現》まで歩かねばならない。にもかかわらず最短の保安検査場 D は開いてないときた。今回は違ったけれど、最悪のケースでは最果て搭乗口とは真逆側のこれまた最果てまで歩かされた挙句、陸の孤島(サテライト)まで飛ばされることだって間々ある。復路は復路で大変で、まず飛行機から降りて直接ターミナルに入れることなどほぼ皆無で、多くの場合、周囲に何もないような場所に機体が止まって、タラップから降りるなりバスに乗せられて 5 ~ 10 分程度ドライブを強いられるのだ。いやでも本当はこんなことを言っていてはいけない。全日空さんのご厚意で運行していただいてるこの空路が無くなったとして、困るのは僕たちの方なのだから。本当にいつもお世話になっております。ありがとうございます。今のはじょーだんですよ、じょーだん。

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 まあそんなこんなで実家最寄りの空港にようやく無事ランディングし、迎えに来てくれた義姉の運転する車に揺られつつ、眺める車窓の風景はいつものことながら一面の緑だ。『緑って 200 色あんねん』などと言いたくなる。あなたの写真のその緑、この中にありますか?......ちなみに僕の実家も引けを取らない程度には田舎なんだけど、どちらかといえば山吹色とか黄土色みたいなイメージ。普段こっちで生活していてここまで眼底の高感度な部分を刺激されたりしないから、慣れないうちは目が疲れるような感覚がする。田舎って田舎と一括りにしがちだけど、田舎にだって色々な田舎がある。だから僕は旅行気分でいつも楽しい。

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 それにしてもこの三連休の暑さのやつときたら半端じゃなかった。屋外に足を踏み出すには生命を危険に晒す覚悟が必要だったし、ちょっと外に出れば汗でぐっしょりになってしまう T シャツの替えを詰めてこなかった自分の考えの至らなさに後悔もした。そういう事情もあって、むこうでの時間はそれなりにあった気がするけど、そんなには写真は撮らなかった(撮りに行く気力が湧かなかった)。なので2泊3日の割に今回の写真は少なめ。代わりと言っては難だけど、とにかくたくさん食べた。圧倒的に食べた。起きている時間のうち半分くらいは食べることに費やしていたような気もする。娘と孫の来訪に張り切ったばぁばの夕食はこれでもかというほど豪勢だったし、出かけ先の珈琲屋さんのトリュフチョコレートケーキも絶品だったし、炎天下で口にする塩味のジェラートも最高だった。後悔はない。ただ、帰省から戻ったわが家では「あの3日分」というキーワードが飛び交っている。

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 色々言ってはみたけれど、とにかく疲れたこと以外は概ね満足な三連休だった。子どもと実家ネコの写真もいい感じに撮れたし、そっちも満足だ。