垣間見える設計思想

NIKON Z 7 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

「やっぱりメーカー毎にいわゆる設計思想の違いって存在するんだな」って思った話をしてもいいですか。

あえて出典は控えますが、とある2社の、とある似たスペックのレンズに関するインタビュー形式の記事のなかで、それぞれの設計者がとても興味深いコメントをしています。
以下に、簡単にですが抜粋して要約してみますね。

光学性能を高めるためには、いかに収差を抑えるかが重要
―光学設計者は、断面図を見れば仕事(収差補正)をしていないレンズがわかる。
―設計者としては、より少ないレンズ枚数(=コンパクト)で光学性能の高い別の解を追求したくなるもの。
―このレンズの構成図を見れば、どのレンズも収差に徹底的に貢献させるためにしっかりと曲率を持たせているのがわかるはず。
―ぼけについては、ぼけ量だけではなく理想的なぼけ描写にこだわった。特にポートレートでは、被写体を際立たせる自然でなめらかなぼけの役割が非常に重要。
ぼけは非常に官能性や感覚的なものなので管理が難しいが、ぼけシミュレーションと修正の繰り返しで球面収差を徹底的に追求することで、ぼけと解像のどちらも妥協することなく両立させた

―設計で大半の時間を費やしたのは「シャープだけど柔らかい」という描写のバランスをとることだった。
―「カリカリに写るのは、実は収差の補正がうまくできていないから。良いレンズは描写が柔らかい。
―ボケも同じで、「ピントが合っていない」ということと「ボケ」は違う。
―大きいけど雑なボケの上にカリカリに硬く写った被写体を重ねて「ハイ、立体感一丁あがり!」のような写りは、単に両極端にある二つの事象をバラバラに見せているだけで、それは立体感ではないと思う。
大事なのは「その間にあって両者を繋いでいるもの」と「その質」。
―ひとつひとつの小さな問題を、力技ではなく丁寧に対処しながら突き詰めていった。
―私と組むメカ担当の方は私がすぐにレンズを大きくしてしまうので苦労する。

どちらが正しいという話ではないと思います。
当然、上流から価格やサイズ等の指示があっての設計のはずですから。

ただそれでも、この2人の設計者が見ているもの・目指しているものは確かに違うのだと、ひしひしと伝わってきますよね。
これがまさに設計思想の違いなのでしょう。
実際、この姿勢の違いというのは、レンズのサイズや描写の違いとなって明確に表れているように思います。

……これだからレンズというのはおもしろい。

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今年の桜は短かったですね。
昨年が長すぎて一層そのように感じているというのもあるかもしれませんが。

まあでも何枚かは撮れたので一応は満足してます。

というわけで今回はこのへんで。
ではでは。

上からニコン

Discrete Sequence

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