よわよわな朝に秋がやってくる

わが子の小さな手のひらがぺちぺちと僕の頬を打つ。文字通りたたき起されているのだけど、うらはらに心地よい。いつも朝から元気印の彼は今日も僕より早起きだ。すこし前にまた歳の数が1つ大きくなって、最近ことあるごとに自分が何歳かをたずねてくる。いいことをして褒められればその数が増えたりするし、わるいことをして叱られれば数が減ったりする。でも次の日になればリセットだ。おおよそそんなレギュレーションで彼の年齢は運用されている。

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対する僕はこれだけ歳を重ねても朝はよわよわだ。子どもに急かされながら、半ば這いずるような格好でリビングにたどり着く。部屋の明かりとテレビだけをなんとかつけて、すぐに糸が切れたようにどかっとビーズクッションに全身を預ける。これだけのことが毎朝本当にしんどい。 "気力を振り絞って" とか "気持ちを奮い立たせて" みたいなフレーズがあるけど、実はこういう時にこそ相応しい表現なのかもしれない。からだ中の細胞がスリープモードでも、唯一気力だけを原動力にして立ち上がっているわけだし、意味はそっくりそのままな気がする。(実際には僕は立ち上がれてないが)

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そのままクッションのうえでうとうと微睡んでいると、足から伝わってくる感覚で、なんだか今日は寒いな、と気がつく。寒いという感覚自体が久しぶりだ。どうやら今年の夏もようやく終わるらしい。(本当にようやくだ......!) 毎年のようにこのブログで "今年の夏は..." なんて言っている気もするけど、今年の夏は今度こそ本当に "今年の夏は..." な夏だったと思う。9月の中頃にもなって家の窓でセミが鳴きはじめた時には、さすがにいい加減にしてくれと心底思った。

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スマホで気温を確認したうえで、今度こそきちんと起き上がって子どもの服をクローゼットから取り出す。今日は長袖にしておこう。でも久しぶりだし嫌がったりするかな?念のため、気に入ってそうなのを選んでおくか......

NIKON Z8
NIKON AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED