巨大な雲の群れが空を流れていくのを見ていた。
連日に倣ってこの日も気温は 30 ℃ を超えた。
まるでそれが当たり前のことのように...(溜息)
ただ、いつもと違うのは風だ。
塊のような質量のある風がびゅうびゅう吹いている。
風が体の表層にこびりついた熱をまとめて運び去ってくれる。
ヒトの作る風にはこの重さや密度感が宿らない。
だからいつの世も外の風は気持ちがいい。
散歩日和とは、風が心地よく感じることだと僕は思う。
気まぐれに多摩川線に乗り、適当な駅でフカミドリの車両を降りる。
いつものように目的地があるわけじゃない。
ただ何となく多摩川を見に行こうと思って西に足を向けた。
層積雲が陽光を暫時遮ってはまた通り過ぎる。
ころころと明るさが変わる景色。
そこかしこに転がる光彩陸離。
左の手のひらには Z 7II と大好きな 105/1.4 。
記録が表現に変わる。
表現力は手に入る(入れろ)