カメラは写真の奥行き感が程よく出るように構える、みたいなことを僕は感覚的にやっている。今日はそれについて少しだけ文字にしてみた。おそらく多かれ少なかれみんな同じようなことをしていると思う。
まず写真の奥行き感を生み出す要素として欠かせないのがパースペクティブ。大雑把に言うとこのパースペクティブが大きく出やすいのが広角レンズ、出にくいのが望遠レンズだ。本来はその特徴を活かして肉眼では見ることのできない大迫力の写真を撮るわけだけど、裏を返せば自然な奥行き感の写真を撮るには扱いが難しいレンズとも言える。僕は、広角では過度にパースが出ないように、望遠ではきちんとパースが出るように使っている。
この日のレンズは AI AF Nikkor 85mm f/1.4D IF 。中望遠なのでパースがきちんと出るように僕は使う。
被写体を左右からのアングルで撮ると左右方向にパースが付くので、写真の長手方向をそれに合わせてカメラは横に構えると良い(ことが多い)。逆に上下方向のアングル = 見下ろす or 見上げるポジションの場合には、上下方向にパースが付くのでカメラは縦に構える。実際的には上下方向にパースが付くことが多いので、中望遠では自然と縦写真が増える。(ちなみに中望遠の画角は “注視の視野” に近いと言われていて、左右方向の情報が削がれる感覚と親和性が高いのも縦写真が増える理由だと思う。)
ちなみに広角を使うときはちょうど真逆になるので、過度にパースが出ないようなポジション取りと構え方をすることで横写真が増える。
もちろん絶対に順守すべき法則でもないし、こんなことに囚われず写真なんて自由に撮ればいいと思うけど、「どうして中望遠だと縦写真が増えるのか」という自分の素朴な疑問について考えたことを文字に起こしておくのも、このブログの存在意義のひとつだと思ったので。
また何か思いつくテーマが自分のなかに湧きだして来たら、懲りずにまたここに書いてみようと思う。