空気感の正体

僕たちは、多くの場合レンズで圧縮した像をカメラで転写してそれを引き延ばして写真にする。

この過程で奥行き方向の情報は上下左右方向に比べて二乗分の一に圧縮されてしまう。( 縦倍率 = 横倍率2

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つまりフィルムや撮像素子が小さいほど、奥行き方向の情報量は指数関数的に圧縮されることになる。

これがフィルムやセンサーサイズによる "空気感" の違いの正体だと僕は思う。

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でもここで話したいのはカメラではなく、圧縮過程の主役たるレンズのこと。

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多くの人が経験するように、同じカメラでもレンズが変われば空気感もガラリと変わる。

レンズの描写の違いとはつまるところこの情報圧縮の手法の違いだ。

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みんなが気にするピント面の分解能のような上下左右方向の情報の取り扱いももちろん大事だ。

だけど空気感にこだわるのなら、その倍くらいレンズの奥行き方向の描写について目を向けてあげてほしい。

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もしかしたらフィルムやセンサーサイズにこだわるよりも幸せになれる期待値は高い...なんてこともあるかもしれない。

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このレンズを使うたび、ついそんなことを考えてしまう。

NIKON Z 7II
VOIGTLANDER NOKTON 40mm F1.2 Aspherical (Z-mount)