能登半島地震から1ヶ月半が経つ。近頃は地震にまつわる話題もニュースのヘッドラインからすこしずつ遠ざかってきた。今日も変わらぬ日常を生きる人びとにとって、それは次第にどこか遠い場所の出来事になっていく。誤解を恐れずに言えば、そのことに実はほっとしている自分がいる。 能登は僕の家族にとって所縁のある土地だ。どうして今年に限ってそこに居合わせなかったのか、自分たちでも不思議なくらいだ。妻も子も生まれは能登だ。今もじぃじとばぁばは奥能登で暮らしている(正確には、暮らしていた)。そこには僕たちが泊まりに行くときまって使う "離れ" があって、それが地震の瞬間ぺしゃんこになったという話を後から聞かされた時 ...